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夢の国に差し込む現実の光
かつて、夢の国と呼ばれたその場所には、まだ夢が残っていた。 約10年ぶりにディズニーランドを訪れた。季節は春。花々が咲き乱れ、空はやわらかく澄んでいた。ゲートの向こうに広がる光景は、一見するとかつてのままだった。ミッキーの耳をつけた子どもた... -
絶望の訪れ
2025年1月4日、それは訪れた。 1月4日という季節を勘案すると、絶望するしかない。それは突如訪れた。僕の部屋のエアコンが壊れたのだ。 暖房がつかない。冷房や除湿はしっかりと稼働する。しかし、この季節に求めるのは暖房であり、それがない部屋はもは... -
プライドなき人生と、缶ビールの幸福
人生というものを端的に表すならば、僕の場合、それは帰り道のコンビニで缶ビールを選んでいるときのあの穏やかな瞬間に凝縮されている。冷えた棚に並ぶ缶ビールを眺めながら、今日はどれにしようかと思案する時間。それは、まさに僕の人生そのものを象徴... -
虚無感と期待のはざまで迎える2025年
2025年1月3日、時刻は夕方18時。正月三が日の最終日。街は年末年始の喧騒を抜け、新年という名の静けさが漂う。僕は新橋にいる。特に理由があったわけではない。むしろ、三が日は家で静かに過ごそうと決めていた。しかし、予定外の衝動に駆られて外に出て... -
年の瀬、葉山にて、当たり前を楽しむ
僕の家族には、一風変わった年末のルールがある。12月30日にはどこかのホテルに泊まり、31日は家で家族揃ってすき焼きを囲むというものだ。幼い頃から続くこの慣習は、僕たち家族にとって新年を迎えるための儀式のようなものだった。 今年もその「儀式」の... -
免許センターの特異性
ふとした瞬間、机の片隅に置いてある免許証が目に入った。普段は財布の中で静かに眠っているそれが、何かを訴えるかのように存在感を放っている。何気なく手に取り、有効期限を確認する。気づけば、次の更新が一年を切っている。更新の案内が届くまで放置... -
2024年に僕に起きたこと
2024年が静かに幕を下ろそうとしている。今年もまた、当たり前のように365日があり、そのひとつひとつに様々な出来事が詰まっていた。毎日が同じように流れていくかのようで、実際にはどこかで少し成長し、どこかで少し退化していた。そうした揺れ動く時間... -
「良いお年を」という魔法の言葉
僕は年末の雰囲気が好きだ。冷たい風が頬を切る中、街にはきらめくイルミネーションが広がり、人々がどこか浮き立つような足取りで行き交う。これほどまでに人々の心が高揚し、同時に懐かしさや郷愁に包まれる季節は他にはない。なぜ僕がこんなにも年末を... -
カメレオン
自分の色は何色なのだろう。 これは僕の人生において、最も大きな疑問のひとつだ。家族といる時の僕、友人といる時の僕、会社の同期といる時の僕――それぞれが少しずつ異なる。それは決して意図的なものではなく、気づけば変わってしまっている。まるで今目... -
桜は思い出への入り口
僕は桜が好きだと、今ならはっきり言える。けれどその感情が芽生えたのは、比較的遅い。中学や高校の頃、桜に何かを感じた記憶はない。通学路に咲いていたはずのその淡い色も、どこかの校庭で舞っていた花びらも、心に残っていない。正確に言えば、桜を前...