週末のひとりごと– category –
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カメレオン
自分の色は何色なのだろう。 これは僕の人生において、最も大きな疑問のひとつだ。家族といる時の僕、友人といる時の僕、会社の同期といる時の僕――それぞれが少しずつ異なる。それは決して意図的なものではなく、気づけば変わってしまっている。まるで今目... -
桜は思い出への入り口
僕は桜が好きだと、今ならはっきり言える。けれどその感情が芽生えたのは、比較的遅い。中学や高校の頃、桜に何かを感じた記憶はない。通学路に咲いていたはずのその淡い色も、どこかの校庭で舞っていた花びらも、心に残っていない。正確に言えば、桜を前... -
僕が沖縄の海に魅了された瞬間
僕は毎年沖縄に行く。理由は単純で明確だ。あの海に魅了されてしまったからだと思う。沖縄に心を奪われたのは、3年前の夏、中学時代の友人の結婚式で初めてその土地を訪れたときだ。それまでも、幼い頃の家族旅行で何度か沖縄を訪れた記憶はある。ただ、そ... -
現実と非現実をつなぐ橋 ーレインボーブリッジー
僕はお台場が好きだ。好きといっても、単なる観光スポットとしての魅力ではない。お台場は僕にとって、現実から解放されるための扉だ。新橋からゆりかもめに乗り、レインボーブリッジを渡ると、まるで異世界への旅が始まるような感覚を覚える。高層ビルと... -
人生は選択の連続
先日、ついにMacを手に入れた。長年のWindowsユーザーだった自分にとって、これは一種の挑戦であり、変化の象徴でもある。周囲からは「なぜ今さら?」と首をかしげられたが、その背後には複雑な思いと、これまでの選択の積み重ねがあった。 社会人としての... -
一期一会
ポストに届いていた封筒を何気なく手に取った瞬間、どこか遠い記憶の手触りがした。送り主は、卒業してからもう随分と経つ高校だった。表面の印字は滲みもなく、整った字体が無機質に並んでいる。中を開けてみると、今年度の取り組みを紹介するリーフレッ... -
不可避な夜ふかし
いつからだっただろうか。夜が、ただの夜ではなくなったのは。 かつては、闇が訪れれば自然と目蓋が重くなり、布団に身体を預ければやがて意識も沈み込んでいった。深夜の静寂は、日中の喧騒を洗い流す清水のようであり、眠りへと続く通路のように思えた。... -
自分とは
自分とは何か、という問いに囚われて 中学二年生の代数の時間だった。教室の窓から差し込む午後の日差し、黒板に書かれた数式、教師の単調な声。その中で、ふと妙な疑問が頭をもたげた。「自分とは何なのだろう?」それまでは自分が自分であることに、何の... -
サクレレモン
目の前に、サクレレモンが二つ並んでいる。冷房を必要以上に効かせた部屋の中で、僕は一つを手に取り、口に含んだ。噛み締めるたびにシャリシャリとした音が響く。それ以外、この部屋には何も音がない。 この冷たい部屋には、おばあちゃんのぬくもりはもう... -
夏の終わりに感じる虚しさ
9月21日、焼けるような暑さが嘘のように和らいだ。ここ数週間の熱波が過ぎ去り、街の風景もどこか落ち着きを取り戻したかのようだ。しかし、外を歩けばまだ汗が滲む。季節は変わりつつあるが、夏の名残は身体に残っている。特に夜、冷房を無意識に付けたま...