2025年3月1日。
今日は、驚くほど温かい。つい昨日まで肌を刺すような寒さが続いていたのに、まるで暦が「3月は春だ」と宣言したかのような空気に包まれている。冬の終わりを感じる。そして、それと同時に春の訪れを確かに感じる。
春が好きだ。これは別に、夏や冬と比べて過ごしやすいからという安直な理由ではない。冬が嫌いなわけでもない。むしろ、クリスマスや年末年始の賑わいがある分、どちらかといえば好きな季節のひとつだ。それでも、冬には冷たさがある。その冷たさを孕んだ空気が、緩やかに解けていく感覚が好きなのかもしれない。特に大きなイベントがあるわけでもない。ただ、確かに世界が冬から春へと移ろうとしている、その変化を体の芯で感じ取ることができる。それが心地いい。
街の色も変わる。冬の間、枝だけになっていた木々が、ほんの少しずつ芽吹いているのが目に入る。道を行く人々の服装も、どこか軽やかになっている。空気の匂いも違う。昨日まで感じていた冬の冷たさが、今日の風にはもうない。
しかし、天気予報によると、来週はまた寒さが戻るらしい。冬はまだ完全には去らない。まるで最後の抵抗を試みるかのように、春の訪れに抗うのだろう。再び冷たさに包まれることを考えると、少し億劫な気持ちになる。今日の温かさが、いっそこのまま続けばいいのにと願ってしまう。
けれど、こうやって寒いだの温かいだのと一日ごとに一喜一憂しているうちに、気がつけば春は訪れ、そしてあっという間に暑い夏へと押し流されていくのだろう。春は短い。寒さと暑さの狭間にある儚い季節。その刹那的な存在にこそ、春の魅力があるのかもしれない。
どれほど春を満喫できるだろうか。今年の春を、どんなふうに過ごせるだろうか。ふと、そんなことを考える。確実に巡ってくる季節でありながら、その一瞬を捉えようとすると、指の隙間からすり抜けるように消えてしまう。桜が咲くころには、春の終わりがもうすぐそこにある。
来週には寒さが戻る。しかし、今日の温かさを知ってしまった今、その冷たさもまた違ったものに感じられるのかもしれない。少なくとも、冬の終わりが近いことを確信できるから。春はすぐそこにある。
たっくす
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